厚木の行政書士 安齋です。
9月に入り朝晩涼しくなったかな、と思ったのも嘘のよう。
連日、真夏日が続いていますが体調など崩されてはいないでしょうか。
さて、今日は先日ご相談のあった「運転免許の取消し処分」についてのご相談を書きたいと思います。
ご相談者様は、免許取消し処分の通知を受けた「都内在住の70代後半、自営業の男性」の奥様からでした。
始まりは今年の5月に指定場所一時不停止※1をしたことからでした。
その後、某試験場で認知機能検査をしたのですが、結果が悪かったようで専門病院での診断を言い渡されました。
病院での検査結果は当日は教えてくれなかったそうで、後日、警察の方から道路交通法第103条第1項第1号の2※2を根拠に「運転免許の取消し処分における聴聞通知書」が郵送されてきたそうです。
私に連絡をした目的としては「免許がなくなると困るので何とかできないですか?自営業なので車がないと困るのですが」ということでした。
他事務所では交通事故等の違反の軽減ができるかのように記載があったりもしますが、当事務所ではそのような業務は行ってはおりません。
また、今回の場合は認知症という診断であったため、できるアドバイスとしては「セカンドオピニオンへ行く」ということでした。
実際、セカンドオピニオンを受診された結果「認知症ではない」という診断が出たそうです。
某試験場での聴聞日、私は同席しませんでしたが、セカンドオピニオンでの診断書を提出した結果「これまで2回の検査機関が開いてしまっていることから、警察同行の元、もう一度病院で検査しましょう」ということになったそうです。
※そのため、最終的な処分はまだ出ていません。
警察は高齢者を食い物にしている、という意見も世間ではありますが、人の寿命も長くなり、健康で元気な高齢者も多く存在される今の時代、なかなか難しいご相談案件でした。
※1
75歳以上の方が18種類の基準行為(以下に記載)違反を行うと、臨時の認知機能検査を受検しなければならなくなります。
そしてその結果が悪く(点数が低く)「記憶力判断力が低くなっています」という結果が出ると臨時適性検査という専門医による検査を病院で受診しなければならないという一連の流れがあります。
(基準行為)
信号無視、通行禁止違反、通行区分違反、横断等禁止違反、進路変更禁止違反、遮断踏切立入り等、交差点右左折方法違反、指定通行区分違反、環状交差点左折等方法違反、優先道路通行車妨害等、交差点優先車妨害、環状交差点通行車妨害等、横断歩道等における横断歩行者等妨害、横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害、徐行場所違反、指定場所一時不停止等、合図不履行、安全運転義務違反
※2
道路交通法第103条
免許の取り消し、停止等
免許を受けたものが次の各号のいずれかに該当することとなったときは、そのものが当該各号のいずれかに該当することとなった時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる~省略
一の二 認知症であること