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賃借人が破産した場合…

厚木の行政書士 安齋です。

 

今、コロナウィルスの影響によって多くの不動産(管理)会社と借主の間で賃料の支払いについてやりとりされていると思います。

 

賃貸借契約書には解除事由や契約終了について記載がありますが、このような世界的にも類を見ない事態が発生している今、それぞれどのような扱いになるのでしょうか。

 

契約終了については「不可抗力」などと書かれていることが多く、これは危険負担についての内容で改正民法では双方に帰責事由がない場合、反対給付債務の履行を拒絶することができます。(改正法536条1項)

 

解除事由の事例としては「〇か月支払いを怠った場合」「破産した場合」などと記載されるいるのではないでしょうか。

 

 

しかし、賃貸借契約は破産しても契約は継続しています。

破産会社には破産管財人がつき、債権者には裁判所から『破産手続き開始等の決定通知書』が届きます。

そのため、破産会社が契約している賃貸借契約は以下の2つの道をたどります。

1.破産管財人が契約解除

2.破産会社を買い取ってもらうか、スポンサーを見つけて契約を継続する

 

 

このようなことになった場合、賃貸人側としては早く対応を決めてもらいたいと考えると思います。

そのような時は、相当の期間を定めて破産管財人へ契約を継続するのか解除するのか『催告』することで早期に対応を決めてもらうことができます。

 

 

契約が解除された場合は、破産手続開始決定前の賃料は破産債権となり、破産者の財産の中から他の債権者と共に按分弁済されます。

 

契約を継続した場合は、破産手続開始決定後の賃料は財団債権となり、随時弁済されます。

 

 

借主さんがこのような状況に陥ることなく、安心して生活を営むことができたり、安定した事業経営が継続できる世の中だといいですよね。